既知を越える本を求めて
「なんだか頭が良くなった気がする」と、思えてしまう不思議な空間。重厚な本達に見つめられ、背筋も伸びる。普段なら「自分には難しいかも・・」と二の足を踏んでしまう本へも手が伸びる。
上野駅から徒歩5分。亜東書店は東洋医学と、中国や韓国の書籍の専門店だ。軽薄なハウツー本ではなく、読み応えのある本が揃っている。自社で直接書籍の輸入もしているので、店員さんの書籍への知識はとても深い。「この本買うなら、こっちのほうがおススメだよ」という助言まで頂ける。背伸びして知識を得ようと思う時、道先案内をしてくれる人はとてもありがたい。
見覚えのある本も並んでいる。懐かしいなー、と思って手に取ってみると、違いに気づく。日本や世界の名作絵本が、中国語や韓国語に翻訳されているのだ。好きだった絵本が翻訳されて、中国や韓国で読まれていると知り、ムクムクと親近感が湧いてくる。


予期せぬ出会いが旅の醍醐味でしょう。本との出会いも予定調和でない方が面白い。亜東書店には、直接行かなければ出会えない本。導かれなければ買えない本。読むことで自分の殻を破れる本が置いてある。人生という旅路でのオアシスのような場所である。
大野佑介
「書肆 月森庵」店主。仕事は鍼灸師。読書以外の趣味はダンスの公演を見に行くこと。時々、こっそり踊ること。
※「本屋旅行ZINE」2021年5月24日発行に寄稿させて頂きました。